証券取引法等の一部を
改正する法律(要綱)
                  
  金融・資本市場をとりまく環境の変化に対応し、その構造改革を促進する必要性にかんがみ、幅広い金融商品についての包括的・横断的な制度の整備を図るとともに、公開買付制度及び大量保有報告制度その他の開示書類に関する制度並びに金融商品取引所等に関する制度の整備を行う等、証券取引法、投資信託及び投資法人に関する法律、銀行法、保険業法その他の関係法律の整備等を行うこととする。

一 証券取引法の一部改正(第1 条関係)
1.有価証券届出書の届出者等に対する資料提出命令等に関する整備
(1) 有価証券届出書の届出者等に対する資料提出命令等に関する規定の整備
有価証券届出書の届出者等に対する報告・資料提出命令について、新たに参考人に対しても報告・資料提出を求めることを可能とする。 (証券取引法第26 条、第27 条の22、第27 条の30、第189 条関係)
(2) 証券取引等監視委員会の犯則調査に関する整備
証券取引等監視委員会が、裁判官があらかじめ発する許可状の交付を受けて、法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管又は所持する郵便物等に対する差押えを行うことができることを明確化する。(証券取引法第211 条の2 関係)

2.開示書類の虚偽記載及び不公正取引の罰則の強化等
(1) 相場操縦行為に関する規定の整備
相場操縦行為として禁止されている取引誘引目的で行われる証券会社への委託等(媒介、取次ぎ又は代理の申込み)について、新たに課徴金の対象とする。また、取引誘引目的で行われる証券会社の自己計算による売買の申込みについて、新たに相場操縦行為として禁止するとともに、刑事罰及び課徴金の対象とする。(証券取引法第159 条、第174 条関係)
(2) 開示書類の虚偽記載及び不公正取引の罰則の強化
有価証券届出書等の虚偽記載、風説の流布・偽計、相場操縦行為等に対する法定刑を、現在の5 年以下の懲役若しくは500 万円以下の罰金又は併科(法人両罰5 億円以下)から10 年以下の懲役若しくは1000 万円以下の罰金又は併科(法人両罰7 億円以下)に引き上げる。また、インサイダー取引等に対する法定刑を、現在の3 年以下の懲役若しくは300 万円以下の罰金又は併科(法人両罰3 億円以下)から5 年以下の懲役若しくは500 万円以下の罰金又は併科(法人両罰5 億円以下)に引き上げる。(証券取引法第197 条〜第207 条の2 関係)

二 証券取引法の一部改正(第2 条関係)
1.公開買付制度の整備
(1) 公開買付規制の適用範囲の明確化
取引所有価証券市場内外等の取引を組み合わせて、政令で定める一定期間以内に一定割合を超える株券等の買付け等(当該期間内に取引所有価証券市場外等において一定割合を超える買付け等を行う場合に限る。)を行うことで、株券等所有割合が特別関係者と合計して3 分の1 を超える場合に
は、当該株券等の買付け等は公開買付けによらなければならないこととする。(証券取引法第27 条の2 第1 項第4 号関係)
(2) 買付者が競合する場合における公開買付けの義務化
他の者が公開買付けによる買付け等を行っている場合において、3 分の1超所有している者が一定期間内に一定割合を超える当該株券等の買付け等を行うときは、公開買付けによらなければならないこととする。(証券取引法第27 条の2 第1 項第5 号関係)
(3) 公開買付けの買付条件の変更等の柔軟化
公開買付者が、対象者が株式分割等を行ったときは買付け等の価格引下げを行うことがある旨の条件をあらかじめ付した場合には、買付け等の価格引下げを認めること等とする。  (証券取引法第27 条の6 第1 項関係)
(4) 意見表明報告書の提出の義務化
公開買付けの対象者に、公開買付開始公告から政令で定める期間内に意見表明報告書を提出することを義務づけるとともに、当該意見表明報告書に公開買付者に対する質問が記載されている場合には、公開買付者に、政令で定める期間内に対質問回答報告書を提出することを義務づけることとする。(証券取引法第27 条の10 関係)
(5) 対象者の請求に基づく公開買付期間の延長
対象者は、一定の場合に意見表明報告書において公開買付期間を延長することを請求する旨の記載をすることができることとし、その場合には公開買付者は、公開買付期間を政令で定める期間に延長しなければならないこととする。(証券取引法第27 条の10 関係)
(6) 全部買付けの義務化
公開買付けの後における株券等所有割合が政令で定める割合を下回らない場合は、公開買付者に応募株券等の全部の買付け等を義務づけることとする。(証券取引法第27 条の13 第4 項関係)

2.大量保有報告制度の整備
(1) 特例報告対象者が重要提案行為等を行う場合の特例
特例報告対象者が発行者について重要提案行為等を行うことを保有目的とする場合には迅速に大量保有報告書を提出することを義務づける。(証券取引法第27 条の26 関係)
(2) 特例報告の提出頻度等の整備
特例報告の提出頻度・期限について、毎月2 回以上設けられる基準日ごと5営業日以内とすることとする。(証券取引法第27 条の26 関係)

三 証券取引法の一部改正(第3 条関係)
1.題名等
(1) 題名の改正
証券取引法の題名を「金融商品取引法」に改めることとする。
(2) 目的の改正
この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とすることとする。(金融商品取引法第1 条関係)

2.有価証券及び金融商品取引業の定義等
(1) 有価証券の定義の整備
組合契約等に基づく権利で当該権利を有する者が出資又は拠出をした金銭を充てて行う事業から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利(出資者全員が出資対象事業に関与する場合等を除く。)(以下この要綱において「集団投資スキーム持分」という。)、信託受益権及び抵当証券等を有価証券とすることとする。(金融商品取引法第2 条第1 項、第2 項関係)
(2) 金融商品取引業及び金融商品仲介業の定義の整備
@ 証券業の名称を「金融商品取引業」に改めるとともに、有価証券関連以外のものも含むデリバティブ取引若しくは集団投資スキーム持分等の自己募集を業として行うこと、投資助言・代理業、投資運用業及び有価証券等管理業務等を新たに業の対象に追加する。(金融商品取引法第2 条第8 項関係)
A 証券仲介業の名称を「金融商品仲介業」に改めるとともに、有価証券関連以外のものも含むデリバティブ取引の媒介及び投資顧問契約等の締結の媒介を業として行うことを新たに業の対象に追加する。(金融商品取引法第2 条第11 項関係)
B 金融商品(有価証券、預金契約等に基づく権利、通貨等)又は金融指標(金融商品の価格又は利率等、気象の観測の成果に係る数値等)に基づく先物取引、指標先物取引、オプション取引、指標オプション取引、スワップ取引及びクレジット・デリバティブ取引等を「デリバティブ取引」とする。 (金融商品取引法第2 条第20 項〜25 項関係)
C 次に掲げる行為を業として行うことを「第一種金融商品取引業」とする。
イ 第2 条第2 項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(以下「みなし有価証券」という。)を除く有価証券の売買等
ロ 店頭デリバティブ取引等
ハ 元引受け
ニ 電子情報処理組織を使用して同時に多数の者を一方の当事者又は各当事者として一定の売買価格の決定方法により有価証券の売買等を行うもの
ホ 有価証券等管理業務(金融商品取引法第2 条第8 項、第28 条第1 項関係)
D 次に掲げる行為を業として行うことを「第二種金融商品取引業」とする。
イ 集団投資スキーム持分等の自己募集
ロ みなし有価証券の売買等
ハ 市場デリバティブ取引(有価証券に関するものを除く)(金融商品取引法第2 条第8 項、第28 条第2 項関係)
E 有価証券の価値等又は金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関し、助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約を締結し、当該契約に基づき助言を業として行うこと、又はそのような契約等の締結の代理若しくは媒介を業として行うことを「投資助言・代理業」とする。
 (金融商品取引法第2 条第8 項、第28 条第3 項関係)
F 次に掲げる行為を業として行うことを「投資運用業」とする。
イ 投資一任契約又は投資法人の資産運用委託契約を締結し、当該契約に基づき、金融商品の価値等の分析に基づく判断に基づいて有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、金銭その他の財産の運用を行うこと。
ロ 金融商品の価値等の分析に基づく判断に基づいて有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、投資信託受益証券等を有する者から拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと。
ハ 金融商品の価値等の分析に基づく判断に基づいて主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、信託受益権又は集団投資スキーム持分等を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと。 (金融商品取引法第2 条第8 項、第28 条第4 項関係)
G 次に掲げる行為を業として行うことを「有価証券等管理業務」とする。
イ 有価証券の売買等に関して、顧客から金銭又は証券若しくは証書の預託を受けること。
ロ 社債等の振替に関する法律に規定する社債等の振替を行うために口座の開設を受けて社債等の振替を行うこと。(金融商品取引法第2 条第8 項、第28 条第5 項関係)

3.企業内容等開示制度の整備
(1) 組織再編成による新株発行等に係る企業内容等開示制度の整備
合併、株式交換等の組織再編成により、新たに有価証券が発行され、又は既に発行された有価証券が交付される場合において、当該組織再編成対象会社(吸収合併消滅会社、株式交換完全子会社等)の株主等が多数であって、当該組織再編成対象会社が発行者である株券等に関して開示が行わ
れ、かつ、当該新たに発行され、又は既に発行された有価証券に関して開示が行われていない場合には、当該有価証券の発行又は交付に関し届出を行わなければならないこととする。 (金融商品取引法第2 条の2、第4 条第1 項関係)
(2) 企業内容等開示制度の対象範囲の整備
有価証券とみなされる集団投資スキーム持分又は信託受益権等のうち、次に該当するものを企業内容等開示制度の適用対象とする。
イ 集団投資スキーム持分であって、主として有価証券に対する投資を行う事業を行うもの
ロ 集団投資スキーム持分以外のみなし有価証券であって、イに類似するもの
ハ その他政令で定めるもの (金融商品取引法第3 条関係)
(3) 継続開示義務の免除要件の範囲の拡大
募集又は売出しにつき有価証券届出書等を提出した有価証券(株券その他の政令で定める有価証券に限る。)の発行者である会社は、当該事業年度及び当該事業年度の開始の日前4年以内に開始した事業年度のすべての末日における当該有価証券の所有者の数が政令の定めにより計算した数に満
たない場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、有価証券報告書の提出義務を免除することとする。(金融商品取引法第24 条第1 項ただし書関係)
(4) 有価証券報告書の記載内容に係る確認書の提出の義務化
有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、有価証券報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正であることを確認した旨を記載した確認書を当該有価証券報告書と併せて内閣総理大臣
に提出しなければならないこととする。(金融商品取引法第24 条の4 の2 関係)
(5) 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価制度の整備
有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について
評価した報告書(内部統制報告書)を有価証券報告書と併せて内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。また、内部統制報告書には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないこととする。 (金融商品取引法第24 条の4 の4、第193 条の2 第2 項関係)
(6) 四半期報告制度の整備
有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるものは、その事業年度が3月を超える場合は、当該事業年度を3月ごとに区分した期間ごとに、当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の事項(以下
「四半期報告書記載事項」という。)を記載した四半期報告書を、当該各期間経過後45日以内で政令で定める期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。当該会社が一定の事業を行う場合には、四半期報告書記載事項のほか、当該会社の経理の状況その他の事項を記載した四半期報告書を、当該各期間経過後60日以内で政令で定める期間内に、内閣総理大臣に提出しなければならないこととする。(金融商品取引法第24 条の4 の7 関係)

4.金融商品取引業者等に関する規定の整備
(1) 金融商品取引業者に関する規定の整備
@ 金融商品取引業は、登録制とする。
A 金融商品取引業について、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業及び投資運用業の区分を設け、これらの区分に応じた登録拒否事由を規定する。(金融商品取引法第28 条〜第31 条の5関係)
(2) 登録金融機関に関する規定の整備
@ 銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関(以下「金融機関」という。)は、有価証券関連業(改正前証券取引法における証券業に相当)及び投資運用業を行ってはならないこととする。
A 金融機関が次の行為のいずれかを業として行おうとするとき、又は投資助言・代理業若しくは有価証券等管理業務を行おうとするときは、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
イ 書面取次ぎ行為
ロ 一定の有価証券関連業(改正前証券取引法第65 条第2 項各号の業務に相当)
ハ デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引等を除く。)
ニ 集団投資スキーム持分等の募集又は私募(金融商品取引法第33 条〜第33 条の8 関係)
(3) 特定投資家に関する規定の整備
@ 適格機関投資家、国、日本銀行及び投資者保護基金その他の内閣府令で定める法人を「特定投資家」とする。ただし、投資者保護基金その他の内閣府令で定める者は特定投資家以外の顧客として取り扱われることを申し出ることができることとするとともに、特定投資家でない法人又はその知識、経験及び財産の状況に照らして特定投資家に相当する者として内閣府令で定める要件に該当する等の個人は自己を特定投資家として取り扱うよう申し出ることができることとする。
A 特定投資家が契約締結やその勧誘の相手方であるとき等においては、契約締結前の書面交付義務等を適用除外とする。
(金融商品取引法第2 条第31 項、第34 条〜第34 条の5、第45 条関係)
(4) 業務に関する規定の整備
顧客への契約締結前の書面交付義務や禁止行為等、金融商品取引業者及び登録金融機関が金融商品取引業を行う場合における投資者保護等の観点から必要な規制に関する規定を整備する。(金融商品取引法第36 条〜第44 条の4 関係)
(5) 経理及び監督
@ 金融商品取引業者等の事業報告書の提出等及び自己資本規制比率等の経理に関する規定を整備する。
A 金融商品取引業者等に対する業務改善命令等の監督に関する規定を整備する。(金融商品取引法第46 条〜第57 条関係)
(6) 外国業者に関する特例
@ 外国証券業者(外国の法令に準拠し、外国において有価証券関連業を行う者)が、元引受け契約その他の行為で政令で定めるものを国内で行う場合又は金融商品取引所における有価証券の売買等を行う場合の特例に関する規定を整備する。
A 外国において投資助言業務又は投資運用業を行う者が国内において投資助言業務又は投資運用業を行う場合の特例に関する規定、外国証券業者等が国内において情報収集のための施設を設置する場合の届出制度に関する規定を整備する。(金融商品取引法第58 条〜第62 条関係)
(7) 適格機関投資家等特例業務に関する特例
集団投資スキーム持分に係る私募又は当該私募に関して出資又は拠出された金銭に関する投資運用であって、適格機関投資家等(適格機関投資家以外の者で政令で定めるもの(その数が政令で定める数以下の場合に限る。)及び適格機関投資家)を相手方として行われるものについては、金融商品取引業に係る登録義務の適用を除外し、届出を義務付けることその他の特例に関する規定を整備する。(金融商品取引法第63 条〜第63 条の4 関係)
(8) その他
外務員や金融商品仲介業者等に関する規定を整備する。(金融商品取引法第64 条〜第66 条の25 関係)

5.金融商品取引業協会に関する規定の整備
(1) 有価証券の売買その他の取引及びデリバティブ取引を公正かつ円滑にすること並びに金融商品取引業の健全な発展及び投資者保護に資することを目的とする認可金融商品取引業協会及び公益法人金融商品取引業協会を設けることとし、これに関する規定を整備する。
(2) 金融商品取引業に対する苦情の解決、争いがある場合のあっせん業務を行う法人(認可金融商品取引業協会及び公益法人金融商品取引業協会を除く。)について、内閣総理大臣の認定を受けることを可能とする制度(認定投資者保護団体)を設けることとし、これに関する規定を整備する。(金融商品取引法第67 条〜第79 条の19 関係)

6.金融商品取引所に関する規定の整備
(1) 取扱い商品・取引の横断化に伴う整備
現行の「証券取引所」に関する規定(証券取引法)と「金融先物取引所」に関する規定(金融先物取引法)を統合し、「金融商品取引所」に関する規定として整備する。(金融商品取引法第2 条第16 項、第80 条〜第154 条の2 関係)
(2) 取引所の自主規制機能の独立性確保のための整備
@ 金融商品、金融指標又はオプションの上場及び上場廃止に関する事項、会員若しくは取引参加者の法令等の遵守状況の調査に関する事項並びにその他取引所金融商品市場における取引の公正を確保するために必要な事項として内閣府令で定める事項に関する業務を「自主規制業務」とすることとする。(金融商品取引法第84 条関係)
A 金融商品取引所は、自主規制業務の遂行の独立性の確保のため自主規制法人又は自主規制委員会を設けることができることとする(自主規制委員会の設置は株式会社金融商品取引所に限る)。
(金融商品取引法第102 条の3 第1 項、第105 条の4 第1 項関係)
B 自主規制業務を行うことを目的として金融商品取引法の規定に基づき設立される法人として「自主規制法人」に関する規定を設け、金融商品取引所又は金融商品取引所持株会社のみが設立できることとするとともに、内閣総理大臣の認可を受けて金融商品取引所から自主規制業務の委託を受けることができることとする。(金融商品取引法第85 条、第102 条の3 第1項、第102 条の14 関係)
C 株式会社金融商品取引所は、定款の定めにより、社外取締役を過半数とする取締役を構成員(自主規制委員)とする「自主規制委員会」を設置できることとするとともに、自主規制委員会は、当該株式会社金融商品取引所の自主規制業務に関する事項を決定する権限を有することとする。また、自主規制委員は、当該株式会社金融商品取引所の執行役又は取締役が、自主規制業務に関する自主規制委員会の決定に違反する行為等を行う場合において、当該行為をやめることを請求することができることとする。(金融商品取引法第105 条の4、第105 条の5、第105 条の10 関係)
D 自主規制法人又は自主規制委員会のある金融商品取引所が自主規制
業務に関連する規則の変更又は廃止をする場合には、自主規制法人又は自主規制委員会の同意を得なければならないこととする。(金融商品取引法第102 条の32、第105 条の11 関係)
E 株式会社形態の金融商品取引所が、自己等が発行する株式その他の有価証券等を取引所金融商品市場に上場する場合には、当該上場について、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこととする。(金融商品取引法第122 条、第123 条、第124 条関係)
F 株式会社形態の金融商品取引所及び金融商品取引所持株会社の主要株主規制として、次の事項を規定することとする。
イ 5%を超える議決権の保有者となった者に対して、内閣総理大臣への届出義務を課す。
ロ 認可金融商品取引業協会、金融商品取引所又は金融商品取引所持株会社を除き、20%(一定の場合は15%)以上の議決権の取得・保有を禁止する。
ハ 地方公共団体その他の政令で定める者は、内閣総理大臣の認可を受けて、20%以上50%以下の議決権の取得・保有が可能とする。(金融商品取引法第103 条の2、第103 条の3、第106 条の3、
第106 条の14、第106 条の15、第106 条の17 関係)

7.罰則
所要の罰則規定の整備を行う。(金融商品取引法第197 条〜第209 条関係)

8.その他
その他所要の規定を整備する。

四 金融商品取引法の一部改正(第4 条関係)
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律並びに公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴い、所要の改正を行う。(金融商品取引法第78 条〜第79 条の19 関係)

五 投資信託及び投資法人に関する法律の一部改正(第5 条関係)
(1) 投資信託委託業等の認可等に関する規定の廃止
投資信託委託業及び投資法人資産運用業の認可等に関する規定を廃止するとともに、委託者指図型投資信託の委託者及び登録投資法人の資産運用業務の委託先の要件として、金融商品取引法上の投資運用業を行う金融商品取引業者であることを規定する。
(2) 不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規定の整備
不動産投資信託及び不動産投資法人について、所要の規定を整備する。

六 銀行法及び保険業法等の一部改正(第6 条〜第20 条)
幅広い金融商品に関する横断的な制度の整備を図るため、次の各法律において金融商品取引法に規定する所要の販売・勧誘規制の準用等を行う。
1.商工組合中央金庫法
2.金融機関の信託業務の兼営等に関する法律
3.農業協同組合法
4.水産業協同組合法
5.中小企業等協同組合法
6.協同組合による金融事業に関する法律
7.商品取引所法
8.信用金庫法
9.長期信用銀行法
10.労働金庫法
11.銀行法
12.不動産特定共同事業法
13.保険業法
14.農林中央金庫法
15.信託業法

七 その他
1.施行期日
この法律は、公布の日から起算して1 年6 月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、証券取引法(第1条関係)は公布の日から起算して20 日間を経過した日から、証券取引法(第2条関係)は公布の日から起算して6 月を超えない範囲内において政令で定める日(一部については公布の日から起算して1 年を超えない範囲内において政令で定める日)から、金融商品取引法(第4 条関係)は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の施行の日から施行する。(附則第1条関係)

2.経過措置等
経過措置等に関する規定を設けることとする。(附則第2 条〜第220 条関係)